あらすじ
公爵令嬢セレナは、辺境伯家の当主レオンハルトに嫁いだ。
けれど初夜、夫は冷たく告げる。
「君を妻として扱うつもりはない。これは家同士の契約だ」
しかも彼の心には、幼なじみの女性がいるらしい。
セレナは泣き崩れる代わりに、ひとつだけ確認した。
「では、この領地の采配だけは私に任せていただけますか」
荒れた帳簿、滞った医療、放置された孤児院、冷えきった使用人たち。
妻として愛されないなら、奥方として仕事をするだけ。
そうして一年後、離縁を告げようとした夫は気づく。
自分の城も、領民も、騎士団も、そして自分自身の心までも。
すでにすべて、彼女に奪われていたことに。