あらすじ
明治四十二年。
式見ホミカの夢は、結婚して穏やかな家庭を築くこと。
だが彼女には、誰にも言えない秘密があった。触れた相手を昏倒させてしまう“毒液体質”である。
縁談は破談続き。ついには華族の地位まで失ったホミカは、自らの体質を解き明かすため帝国女子大学へ進学する。
ところが彼女の周囲では、奇妙な事件ばかりが起きる。
消えた結納品。多すぎる婚約者。不可解な花嫁募集記事。相続争いの果ての密室殺人――。
人の心には興味がない。動機も追わない。
観察と論理だけを頼りに、「どうやって可能だったのか」を解き明かす。
これは、結婚を夢見ながら結婚から最も遠い場所に立たされた少女が、数々の謎と向き合う物語。