あらすじ
――潮流は、嘘をつかない――
広島県三原市で生まれ育ちながら、海が怖い。
高校一年生・石塚凪は、放課後の港で一人の少女に声をかけられる。
「お前、流れが読めるだろ」
そう言ったのは、三原東高校潮球部主将・宮本澪。
創部一年目、部員四人の小さな部活だった。
瀬戸内の海を舞台に、漂流する「潮核」を奪い合う水中競技——潮球。
声は届かない。視界もない。
相手の位置は、潮流とともに消える。
「怖い海が読めるなら、怖くない海も読める。それ以上の才能はないじゃろ」
瀬戸内の潮と共に生きる少女たちの、 見えない戦いが始まる。