あらすじ

『壁から二つ目の席』 雨の日。 喫茶店《Amber》には、 誰も座らない”壁から二つ目の席”がある。 そこにはいつも、古びたテディベアが座っていた。 ――誰かの代わりに。ずっと。 「生憎、満席だ」 無愛想なマスターに告げられた若者は、 テディベアを静かに壁側に置いて、言った。 「ほら、席がひとつ空いた」 店内の空気が、一瞬止まった。 常連客たちは、息を呑んだ。 マスターだけが、その席の意味を知っていたわけじゃない。 ――知らなかったのは、若者だけだった。 「お前、そこに座る意味、分かってるのか」 圧をかけても、若者は首を傾げた。 そして古びたテディベアを抱えて、言った。 「あの、これ、洗っていいですか」 マスターが気づいた時には、 青年はずぶ濡れで、風呂を借りて、居座っていた。 止まっていた時間が、 騒がしく、温かく、動き始める。 不器用な男と、真っ直ぐすぎる若者の、 雨の日から始まる話。 ※表紙絵はAI生成になります。

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エブリスタ2026/05/24
  • 現在の作品壁から2つ目の席