あらすじ

「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」

王宮の舞踏会で、王太子ユリウスは高らかに宣言した。

相手は、婚約者であり王国宰相でもある公爵令嬢レティシア・アルヴェーン。

これまで彼女は、王太子が起こす女性問題の後始末をすべて押し付けられてきた。慰謝料交渉、家門への謝罪、社交界の火消し、教会への根回し。何度忠告しても反省しない婚約者に、レティシアの忍耐はとっくに限界だった。

だから彼女は、静かに一礼する。

「かしこまりました」

――正直、婚約者も宰相も、本当に辞めたかったので。

レティシアは宰相を辞任し、自分の指揮下にあった官僚、書記官、会計官、手配係、王宮実務を支えていた者たちをすべて引き上げさせる。

すると翌朝、王宮は止まった。

侍従は起こしに来ない。
輿は手配されない。
料理人がいない。
書類は処理されない。
命令を伝える者もいない。
ついには、王宮の汚物回収まで止まってしまう。

王太子はようやく思い知る。
自分が「書類仕事の女」と軽んじていたレティシアこそ、王宮を動かしていた中心だったのだと。

さらに、王太子の新たな女性問題が発覚。相手が聖職者の娘だったことで教会は激怒し、破門の危機にまで発展する。

王宮は統治不能。
教会は王太子を見限り、貴族たちは動き出す。
そして王国が次に求めたのは、問題王太子ではなく、王宮を実際に動かしていた前宰相レティシアだった。

これは、婚約破棄された宰相令嬢が、ようやく不要な仕事から解放されたと思ったら、王宮が止まったせいで女王にされてしまう物語。

もちろん、王宮を止めた元王太子にも、ふさわしいお仕事をご用意しております。

王宮衛生局、汚物回収係見習いとして。

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アルファポリス
アルファポリス2026/05/19
  • 現在の作品婚約破棄された宰相ですが、正直辞めたかったので部下ごと引き上げたら王宮が止まりました