あらすじ
もし、人間の抱える希望を完全に消す方法が発見されたら
救われる人間はどの位いるのだろう?
きっと、俺はその一人だろうな。
でも、人間は絶対に希望を捨てることはできないだろう。
だからこそ辛い。
冒険者ロピは、どこにでもいる負け犬だった。
五年間、最底辺のランクから抜け出せない。仲間には見捨てられ、金はなく、誇れるものは何一つない。隣には口のきけない女ミクがいる。なぜ彼女がそばにいるのか、ロピ自身にもわからなかった。
そんなロピに舞い込んだのは、牧場での羊の毛刈りの仕事だった。報酬目当てに飛びついたその依頼は、冒険者と呼ぶのも恥ずかしい、誰でもできる単純なものだった。
だが、その先で待っていたのは——行方不明の女、一年間隠され続けた真実、沼の底に潜む害獣。
逃げることしか知らなかった男が、逃げられない場所に立たされる。
これは、最底辺から這い上がる物語ではない。
崩れながら、それでも少しだけ違う形になろうとした、ある男と女の物語。
主な登場人物
ロピ 冒険者
ミク ロピと生活を共にするもの
注意:この小説には暴力的な描写が含まれています
各部はそれぞれ、その舞台での物語を完結させています。