あらすじ
昭和二十三年、八月。
死刑を宣告された元陸軍大尉・久世鉄郎は、絞首台ではなく、船名を塗り潰された貨物船へ乗せられた。
同じ船にいたのは、戦後日本にとって都合の悪い九人の戦争犯罪人たち。
五日後、彼らは「本日付で全員処刑された」と告げられ、海図にない孤島・第七番島へ流される。
そこは、人の声を真似る獣、森を支配する巨大生物、浅瀬に潜む海蛇竜が棲む、外界から隔絶された島だった。
水を探し、火を守り、仲間を疑いながら生き延びるうち、彼らは知る。
自分たちは裁かれたのではない。
国家が隠した罪ごと、地図の外へ捨てられたのだ。
ならば、ここで何を作るのか。
暴力の国か。記録の国か。赦されない者たちの国か。
戦争犯罪人たちは、竜の島で新しい国家を建てる。