あらすじ
高校二年生・蒼井ことり、十七歳。三日前、私の書いていた小説『薔薇は誰がために散る』のヒロインとして、異世界に転生しました。
……いやいや、おかしいでしょ。私の作品ですよ? 主人公・平民メイドのリリィが、王子に見初められて、悪役令嬢クラリスを婚約破棄に追い込んで処刑する話ですよ?
ねえ、待って。
私、クラリス様のこと、本当は大好きで書いてたんです。健気で、不器用で、誰よりも王子のことを想っていた、あの可哀想なお嬢様のことを。
——だから決めました。原作者として責任を取ります。リリィは王子を選びません。婚約破棄イベントは潰します。クラリス様は、私が絶対に死なせない。
たとえ物語に嫌われても、私はこの子の味方でいる。