あらすじ

異世界転生の仕組みが、ついに科学的に解明された。 必要なのは、神の祝福でも、トラックでも、過労死でもない。 現世への不満、自分には本来もっと価値があるはずだという確信、都合のよい初期スキルへの期待。 そして、最後に「もういい」と口に出すこと。 それだけで、人は異世界へ行ける。 結果、日本では転生者が後を絶たなくなった。人口は減る。税収も減る。住民票は宙に浮く。住宅ローンは残る。扶養家族も残る。魔王討伐報酬の課税関係は、まだ決まらない。 ついに政府は、新たな法律を制定する。 正式名称、 「異世界転移等による住民基本台帳離脱及び租税回避の防止に関する法律」。 通称、異世界転生禁止法。 主人公・佐伯律也は、総務省から新設の異世界転生対策庁へ出向した若手官僚。 彼の仕事は、魔法陣の中央に立った人々を、異世界へ旅立つ前に現世へ引き戻すこと。 勇者になる前に、本人確認。女神の召喚状は、原本確認。チートスキルは、取得時の資産評価。魔王討伐報酬は、所得区分未定。そして転生するなら、納税してから。 これは、異世界転生を馬鹿にする物語ではない。 異世界転生が、行政、税制、出版市場、人口問題にまで侵食した現代日本を笑う物語である。 人はなぜ、戻れる保証もない異世界へ行きたがるのか。 現世より、異世界の方が本当にましなのか。 そもそも、月曜を理由に転生することは認められるのか。 魔法陣より書類が強い、制度風刺コメディー開幕。

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カクヨム2026/05/24
  • 現在の作品異世界転移等による住民基本台帳離脱及び租税回避の防止に関する法律