あらすじ
【阿部寛さんと榎本加奈子さんのイメージで紡ぐ、切なくもクスッと笑える、大人のための極上純愛小説】
「俺はノーベル賞を夢見る、ちょっと見栄っ張りで平均並みの給料しか稼げない、うだつの上がらない歳の離れた男」
64歳の大学准教授・津島は、愛する46歳の美奈に、頑なに隠し続けている「秘密」があった。それは、ネット証券に眠る『二億一千四百万円』という莫大な隠し資産。
お金があるから一緒にいるのではない。ただの男として自分を愛してほしい。その「中学生のような純粋な関係」を守るため、彼は二億円の防波堤を築き、彼女の手のひらの上で喜んで転がされている。
かつて50歳の冬、新宿の大学病院で直面した「前立腺癌」の宣告。男としてのプライドの危機。そこから最新のロボット手術(ダ・ビンチ)でのラッキーな完治、そしてお気に入りのアダルト動画を前にベッドの上で大パニックを起こしたあの情けない夜。
死の淵と絶望を乗り越えた津島だからこそ、今、榎本加奈子を彷彿とさせる美奈の、あの見事なまでに「痩せた身体」を抱きしめる一分一秒が、奇跡の熱量を持っている。
来年に退官を控えた津島が、美奈の手を握り、人生の最後に導き出した「未来の方程式」とは――。