あらすじ
銀雪王国と春灯王国は、長い戦の果てに停戦を結んだ。だが国境の霜谷には戦の傷が残り、季節ごとの双灯の儀が崩れれば、霜獣が両国へ雪崩れ込む。和平の象徴として、中立の白灯宮へ送られたのは、銀雪王国の第二王女リゼと春灯王国の第三王子ノア。互いに相手国への不信を教え込まれた二人は、初対面から親切も礼儀も疑ってかかる。
ところが到着初夜、二人はそれぞれ故国から密命を受け取る。もし白灯宮が崩れるなら、相手国の責任に見えるよう証拠と証言を確保せよ。言葉こそ違えど本質は同じ命令に、リゼとノアは気づいてしまう。自分たちは和平の希望ではなく、失敗したときに切り捨てるための駒でもあるのだと。やがて二人は恋愛より先に、同じように使い捨てにされる者同士として秘密を共有し、白灯宮の使用人、護衛、霜谷の人々を巻き込んだ非公式の同盟を結んでいく。
しかし白灯宮の危機が深まるほど、両国は責任転嫁の準備を露わにし、二人には国へ戻る道と国境に残る道のどちらかが迫られる。すべてを明かせば守れる命がある。だがその代わり、王都に残る味方や家族を傷つけ、自分たちの未来も失うかもしれない。王子と王女は、国にとって都合のいい駒でいることをやめ、自分の意思で誰の側に立つのか選べるのか。
恋愛より先に危険な共犯関係が生まれる、国境宮の外交ロマンスファンタジーです。