あらすじ
潮江森町の片隅にある、古い喫茶店『ハウン』。
メニューは少し変わっていて、“ポーレッグ”とドリンクしかない。
ポーレッグとは、ノルウェーの言葉で「パンに挟んだり、乗せたりして食べるもの」のこと。
林檎のシナモン焼き、卵サラダ、スモークサーモン、季節のジャム。
先代のフィリプ・ヤブウォンスキが港町に残した喫茶店は、
孫である鳴海紗都子(なるみさとこ)と弟の玄(はるか)に、ゆるやかに受け継がれていた。
朝七時半。
潮の匂いが混じる町で、喫茶ハウンは静かに店を開ける。
「うちはポーレッグとドリンクしかないですが」と笑う店主。
これは、港町の小さな喫茶店で、
疲れた人達がほんの少し呼吸を取り戻していく物語。