あらすじ
毎朝、少しだけ違う商店街。
雨の日にしか開かない喫茶店。
使われなくなった改札に、まだ残っている感情。
この短編集は、
「名前」「記憶」「存在」が
いつのまにか薄れていく現代を舞台にした、
20の短編・中編からなる連作集です。
前半では、都市の片隅にある
ささやかな違和感や情緒を描き、
中盤から、存在が揺らぎ、
後半では名界と呼ばれる領域へと、
物語は静かにつながっていきます。
どの作品から読んでも構いません。
けれど読み進めるほど、
それぞれの物語が、
ひとつの大きな問いに収束していくことに気づくでしょう。
――
人は、いつから透明になるのか。
そして、呼ばれなかった名前は、どこへ行くのか。
これは、
まだ消えきっていなかったものたちの記録です。