あらすじ
社畜だったアルトが目を覚ますと、空から落ちていた。下は溶岩、横を流れるのは半透明のコメント欄。
『初手奈落は草』『悲鳴いいな』『これは伸びる』
この異世界《アルカディア》では、退屈した神々が地上を“配信”として観ている。悲鳴を上げれば投げ銭が飛び、加護が降り、奇跡が起きる。最強になる方法はただ一つ——神々に「こいつ、面白い」と思わせること。
「誰だよお前らぁぁぁ!!」
酔拳を投げてくる酒神。コメントは読めるが空気は一切読まない神々。ツッコミが追いつかないまま、アルトの配信はバズっていく。そんな中で、女神ルナだけが、なぜか本気でこいつを見ていた。
帰還条件は、ランキング百位以内。だが順位を追ううちにアルトは気づく——この世界では、見られなくなった者から消えていく。バズれば勝ち。でも、数字にならない誰かを助けた日は、同接が静かに減っていく。
神様、頼むから——俺を、物語にしないでくれ。
見られることに疲れた男の、観客を共犯に変えていく異世界配信譚。