あらすじ
創造維持破壊の輪廻を繰り返す星、地球。
その一三八億歳な歴史上の、とある宇宙世紀黎明の話。
人類は、砂浜から海水に一歩踏み出すように、暗黒宇宙に片足を突っ込み始めていた。
しかし宇宙への身勝手な脱出は、宇宙探索機構Universe Search Organization(略称:USO—ウソ)によって阻まれた。
支配の本質——自由を不必要に多く与えてはならぬ。
不自由は飴なり。大多数の愚者はドス黒いアメに誘われる。
自由は鞭なり。大多数の愚者は己との真の内的対話から逃走する。
監獄のような地球に辟易した科学に長けた素人たちは、独自に、外の世界を目指そうとした。
いつもUSO—ウソが、それをよしとしなかった。
いつまでも、眠れる、迷える、羊でいてほしい。
反抗する者の元には、刺客が派遣されるのだった。
彼であり私——熱波士のネッソスもまた、その例に漏れなかった。
ネッソスは、身体を〈土稲妻(プラズマ)〉化して、無限上昇する術を編み出した。
そして〈青紫の天蓋(ドーム・オブ・シアン)〉、つまりオゾン結晶殻層を溶かし破り、宇宙へ脱出、するつもりだったのだが・・・
深き森で隠居中、USOの職員によって訪問されてしまった。