あらすじ

「あっ!」 おれは思わず声を上げた。 自宅のリビング。食卓の椅子に腰掛け、ぼんやりとテレビを眺めていた、そのときだった。突如として頭の奥で栓が抜けたような、ある種の爽快感が走った。鈍く張り詰めていた膜が裂け、そこから膨大な情報がボトボトと落ちてきた。めまいにも似た感覚がしたと同時に、おれは反射的に立ち上がりかけた。 椅子の脚がフローリングを擦り、キュッと音を立てた。 「どうしたの?」 ソファに座っていた妻が勢いよくこちらを振り返った。驚いたように目を丸くしている。 おれは努めて平静を装い、「いや、大したことじゃないよ……」と返した。 妻は怪訝そうに首を傾げた。だが、それ以上は追及せず、ローテーブルの上の小さな鏡に視線を戻した。さほど興味はなかったらしい。 しかし、おれの内側ではとんでもないことが起きていた。思い出した。思い出したぞ……。 ――おれはどうやら宇宙人らしい。

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小説を読もう2026/05/24
  • 現在の作品おれは宇宙人 :約5000文字 :SF