あらすじ
魔王軍経理部――そこは、戦場よりも胃が痛い場所だった。
地下三階の財務管理室で働く青年アルト・ゼニスは、領地税の集計や軍費管理に追われるしがない税務官。
だがある日、魔王軍の帳簿を精査した彼は、この国が“戦争を止めた瞬間に破綻する”ほど財政崩壊している事実に気づいてしまう。
中抜き、腐敗、物流崩壊、バラバラの通貨制度。
さらに魔王軍は、略奪でしか維持できない危険な国家構造になっていた。
その異変を見抜いたことで、アルトは魔王に呼び出される。
「余の国は、なぜ貧しい?」
そう問われたアルトは、恐れながらも答える。
「原因は、戦争じゃありません。経済です」
そして始まる、魔王軍史上最大の国家改革。
統一通行証による物流革命。
腐敗貴族の排除。
市場改革。
通貨統一。
さらには商人ギルドとの経済戦争まで――。
剣でも魔法でもなく、“数字”で世界を変えていく異色の成り上がりファンタジー。
これは、魔王城の地下で税金を計算していた男が、やがて世界経済を裏から動かす“黒幕”になっていく物語。