あらすじ
午前三時、瀬戸の部屋で黒電話が鳴った。
線は繋がっていない。鳴るはずがない。
受話器の向こうで、女は言った。
「聞こえてる?」
「……よかった」
翌朝、隣の美容室から一人の女が消える。
残されていたのは、濡れていない傘と、どこにも記録されていない通報の気配。
夜の街を撮る写真家・瀬戸は、黒電話をきっかけに、写真にだけ“消された記録”が写るようになる。
そして、妹を十年前に失った刑事・橘怜奈と出会う。
失踪、黒猫、地下に沈んだプール、消された相談記録。
すべては、かつて存在した会員制クラブ「NOCTURNE」へ繋がっていた。
これは幽霊を追う話ではない。
記録から消された声を、もう一度現実に戻す話だ。