あらすじ
かつて大陸全土に名を轟かせた最年少の特級書術士、アルス・カリグラフィ。
彼は3年前の惨劇で利き腕である右腕の魔力回路を失い、今は場末の港町で左手を使った代筆屋として静かに暮らしていた。
ある日、アルスは背中に「白紙の聖典」を刻まれた記憶喪失の少女、エルナと出会う。
彼女は、世界の文字を奪い管理する巨大組織「神聖書芸院」から追われる第一級禁忌指定物だった。
エルナを狙う冷酷な検閲官たちの襲撃を、アルスは命を削る左手の書術で退ける。
しかし、彼女の覚醒は「世界の文字が消滅し、すべてが白紙に還る」という恐るべき崩壊の始まりでもあった。
「世界の結末は、神様にも書芸院にも決めさせない」
ただの錆びた鉄ペンを握りしめ、アルスはエルナと共に世界のあらすじを書き換える過酷な旅へと足を踏み出す。
奪われた人々の言葉を取り戻し、神の定めた理引尽な運命に抗う、不屈の代筆屋の反逆譚が今、幕を開ける!