あらすじ
御岳の記録から消された“七瀬家”。
宮城から島根、そして鏡淵へ至る七海の歴史。
七海家はかつて、御岳の朝比奈家と深い信頼で結ばれていた。
御岳では“七瀬家”と呼ばれ、傍流ながらも確かな役割を担っていた。
だが当主・七海道典が、
“東でも西でもない第三の場所”を見守る羽鳥家と密かに往来していたことが露見し、
七海家は御岳の記録から抹消され、追放される。
行き着いた宮城の寒村で、七海家は静かに根を張ろうとする。
しかし道典は東を向いて眠り続け、
息子・岳人は「自分の居場所」を探し続ける。
村の老婆が告げる。
「お前の家は、間を歩く家だよ。それは呪いじゃない」
そしてある冬の日、
羽鳥家の女性・千鶴が宮城に現れる。
「縁を繋ぎに来ました。七海岳人さんに」
御岳、宮城、島根——
三世代にわたる七海家の旅路は、
やがて鏡淵へと至る“水脈”へと繋がっていく。
七海雫誕生の前夜を描く、静かで重い血脈の物語。