あらすじ
異世界から来たのは、勇者ではない。
記録されない死体だった。
新宿地下に異界への門が開いて三年。
ゲート周辺に設置された特別管理区域は、いつしか東京第24区と呼ばれるようになった。
地図には載らない。
住民票も作れない。
それでも、そこでは人が死ぬ。
警視庁刑事部第二十四特別捜査係、通称・24区特捜。
その刑事、黒瀬透は、かつて異界人の死を“境界災害関連死”として処理した男だった。
ある朝、検問所前で青い血のついた右腕が見つかる。
異界側の処刑か、魔獣被害か。
上層部はまたも“異界事案”として片づけようとする。
だが黒瀬は、切断面に日本製電動工具の痕跡を見つける。
これは怪物の事件ではない。
東京で起きた殺人だ。
亡命法務官エルナ・レイヴェルトとともに、黒瀬は異界由来の犯罪を現実の証拠へ変えていく。
魔法は痕跡を残す。
嘘をつくのは、人間だけだ。