あらすじ
幼い頃から、私には人の“感情”が色として見えていた。
幸せは黄色。
怒りは赤。
絶望は黒。
しかし、誰もが多彩な色を持つ中、私の世界だけは黒一色だった。
普通に生きる。
空気を読む。
周囲に合わせる。
そうして作られた「普通の私」は、退屈で、空っぽだった。
そんなある日、私は一人のホームレスと出会う。
家族との再会を夢見ながら、社会復帰を目指す男――沢田忠孝。
夢、後悔、愛情、希望。
多くの色を抱えて生きる彼は、あまりにも美しかった。
……だから私は、救ってしまった。
これは、“救済”を信じる一人の女が、
百人を救うまでの記録。