あらすじ
社会人三年目。
中堅SIer企業で働く宗形 恒一は、“無難に生きること”だけを考えていた。
怒られず、期待されすぎず、ほどほどに働いて、ほどほどに眠る。
新卒の頃に抱いていた熱意は、終電と修正依頼の中に置いてきた。
そんなある日、宗形は中途入社の教育係を任される。
現れたのは三つ年上の女性エンジニア、芦屋 雅。
仕事ができて、よく笑って、妙に前向きな人だった。
「宗形さんって、“ちゃんと会話しようとしてくれる人”ですね」
何気ないその言葉が、なぜか心に残る。
止まっていたはずの日常が、少しずつ動き始める。
これは、希望を諦めかけた平凡な社会人が、もう一度だけ前を向こうとする話。