あらすじ
幽霊が見える司祭エレンには、誰にも言えない秘密があった。
それは――昔からエレンは、人間よりも幽霊に恋愛感情を抱けないということ。
幼い頃から守護霊や英霊たちと共に育ち、生きた人間より死者と話す時間の方が長い少年時代。
いたいけな少年の恋心が歪んでも無理はなかった。
だけど幽霊を食べて祓う【霊食体質】のエレンに守護霊が憑りついてくれるはずもなく。
「ううっ、どうして俺は守護霊にモテねぇんだよ」
しかも帝国に仕える名誉司祭となってからは、皇族と貴族の我儘に忙殺され、自分の人生どころではなかった。
そんなある日。
「貴様は余の罪を被って追放される栄誉を与えよう」
「はい?」
仕えていた第三皇子エンヴァルドに国宝横領の罪を着せられ、地下迷宮へ突き落とされてしまう。
だが、その王宮から追放はエレンにとって思わぬ転機だった。
なにせ面倒な皇族の世話も、守護霊たちの苦情処理もしなくていい。
だったら今度こそ――欲望のまま生きてもいいのでは?
目指すは理想のお嫁さん探し。
もちろん相手は、人間じゃない。
幽霊、精霊、英霊、付喪神。
世界中を旅しながら素敵な霊的存在との出会いを探そうと決意したエレンだったが、
ある日、自称天才魔女の性悪美少女幽霊を『食べてしまい』――?
『というわけでボクの身体を好き放題貪ってくれた責任とってボクと契約して、復讐を手伝ってくれない?』
「なん、だと⁉」
一方その頃。
エレンを追放した帝国では異変が続発していた。
守護霊は姿を消し、王宮の英霊は怒りだし、各地では原因不明の悪霊現象が。
始めは何とか出来ると高をくくっていた貴族だが、誰も知らなかったのだ。
ここ二十年の帝国の平和が、一人の司祭によって支えられていたことに!
これは、人間より幽霊に恋をする元司祭が、美少女幽霊たちと共に理想のお嫁さんを探して食い散らかす追放ファンタジー