あらすじ

真瀬透は、折坂大学に通う二十歳の大学生。 かつては短距離で将来を考えていたが、膝を壊してから走る道を失い、今では何を目指したいのかさえ分からなくなっていた。 親友の佐伯圭だけは、そんな透を特別扱いしない。 進路を決められない透を責めるでもなく、励ますでもなく、いつものようにくだらない会話を続ける。圭が何かを言う前に机を二回叩く癖も、透にとっては日常の一部だった。 ある朝、透は空から降る白い欠片を見る。 誰にも見えず、音もないそれは、透の手に触れた瞬間、皮膚の中へ吸い込まれるように消えた。 その夜から、透は奇妙な夢を見るようになる。 高い場所。玉座。顔のない誰か。 目覚めると夢の中身は消えているのに、胸の奥には異様な充実感だけが残る。 やがて透は、人間には見えない階層生態系の存在を知る。 異物。魔物。神域。 現実と同じ場所に重なる不可視の世界で、透は体内に宿った謎の異物「ヌル」と共に戦い、倒した存在を吸収して力を得ていく。

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カクヨム
カクヨム2026/05/23
  • 現在の作品二拍、鳴る。神の器はまだ人間でいたい