あらすじ
東部戦線。
連日の豪雨により膠着した前線で、若き将校ケインは休むことなく王国軍を支え続けていた。
そんな彼のもとに届いたのは、国王崩御の報せと、王都への召集命令。それは王太子からの直々の要請だった。
王都へ戻ったケインを待っていたのは、かつてない危機。人ならざる者たちが都の内側に侵入し、静かに、だが確実に王国を蝕み始めていた。
王太子は対抗策として、特別部隊「黒鷲隊」を創設。
公爵、聖女、名門騎士と並び、ケインにも一隊の指揮が任せられる。
だがーー彼は『名を持たない』
名門レグルス家の嫡男でありながら、祖父の意向によりその名を名乗ることをゆるされていない。
王都より遥か遠い戦場では英雄と呼ばれながらも、王都では”ただの陸軍将校”に過ぎない存在だった。
疑念と、軽視が渦巻く中、ケインはその実力のみで全てを覆していく。
ーーこれは、名を持たぬ青年が、その名に相応しき存在へと至る物語。