あらすじ
祖国を滅ぼされた王女は、戦利品として帝国に連行された。
父は処刑され、母は自害した。妹は混乱の中で消えた。
帝国の宮廷で彼女に与えられた役目は、皇女の家庭教師。
わずか八歳の、無垢な皇女リーシャの。
誰も気づかない。彼女が三層の言葉を理解できることを。誰が父を磔にしたか、顔まで覚えていることを。
冷徹に復讐を進めるはずだった。誰の心も動かさず、誰にも本心を悟らせず。
けれど、敵国の若き軍師カスパールだけが、彼女を見ていた。
「あなたが何を探していたか、私は知っています」――。
互いの正体を知る二人は、結ばれてはならない。
これは、滅ぼされた国の王女が、敵の心臓部で書き直す歴史の物語。