あらすじ
六十一歳。
障害年金暮らし。
就労移行支援へ通いながら、作家を夢見続ける男。
MOS資格を取っても仕事は決まらず、
現実は清掃や軽作業ばかりを勧められる。
「仕事のために生きるのではない。
小説を書くために生きている」
そう信じながらも、社会から静かに切り離されていく感覚だけが強くなっていく。
梅雨の帰りの電車。
汗だくの中年サラリーマンをぼんやり見つめていた時、
その男は突然、目の前へ現れた。
そして——
車内の全員が、“死人の顔”でこちらを見ていた。
老い、労働、孤独。
現代社会そのものが怪異へ変わっていく、人生怪談。