あらすじ

女子大小路には、女子大がない。 元SEの瀬戸口連平は、家賃の安さに負けて、栄四丁目の古い雑居ビル三階にIT便利屋を開いた。 スマホ設定、Wi-Fi調整、パソコン初期化。 地味で安全な仕事をするはずだった。 だが、入居初日からおかしい。 三階の廊下は、外から見た建物より明らかに長い。 事務所の看板には、勝手に「怪異IT相談所」と書かれている。 そして閉店したスナックの予約フォームには、毎晩「旧女子大 学生課」から予約が入る。 存在しない部屋番号。 本人確認に失敗する鬼。 池田公園に重なる、もうない学生寮。 削除できない名前。 閉じたはずなのに閉じきれない店。 連平は怪異を祓わない。 ログを見る。 原因を切り分ける。 再現条件を取る。 そして、消えたものたちが今の街を壊さないよう、どうにか暫定対応していく。 名古屋とは本文中では呼ばれない街。 女子大小路、広小路、白壁、覚王山、熱田、堀川。 具体的な地名だけが積み上がり、名前だけ残ったものたちが、少しずつ夜に戻ってくる。 偏屈な元SEと、妙に詳しい妖怪たちと、広小路のホテルに勤める高嶺の花っぽい変人・白河玲子。 これは、都市の隙間に残ったログを読む、怪異IT相談所の記録である。

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小説を読もう2026/05/23
  • 現在の作品女子大小路 怪異IT相談所