あらすじ
エルフ
それは、精霊に愛された種族。
火の精霊に愛されれば炎を操り。
水の精霊に愛されれば癒しを授かる。
森に住むエルフ達は皆、生まれた時から精霊の祝福を受けていた。
…ただ一人を除いて。
少女の名は、リシェル。
銀髪翠眼の美しいエルフでありながら、彼女には精霊の声が一切聞こえなかった。
精霊魔法は使えず。
精霊達からの加護も無い。
エルフ社会では、それは致命的欠陥だった。
「穢れ子」
「精霊に嫌われた娘」
「耳だけエルフ」
そう呼ばれ、森の村で孤立して育った。
けれど
ある日、瀕死の人間の青年を拾ったことで、彼女の運命は変わる。
「…あれ? 君の周り、精霊だらけだけど?」
「…え?」
リシェルには見えなかった。
だが本当は。
彼女の周囲には、常識外れの数の上位精霊達が集まりすぎていたのだ。
普通のエルフでは耐えきれないほどに。
これは…
愛が届かなかったのではなく、
愛されすぎて聞こえなかったエルフの物語。