あらすじ
空腹だけが、私が私として生きている証だった。
天界アスタリアの片隅で、弟と二人きりで暮らす少女・カナリアは神殿から与えられた“魂の観測”の仕事をしながら、飢えを誤魔化すように毎日を生きていた。
そんな彼女を唯一支えてくれるのは天使族族長と、族長の妻・マリア。
明るく優しい彼女は、孤独なカナリアに食べ物を与え、家族のように寄り添ってくれていたそんなある日。
カナリアは勤務中に魂ではない、自分によく似た何かを見てしまい。 気がつくと数年間眠ることのなかったの瞼は自然と閉じて、“夢”を見ていた。
ずっと忘れていたはずの母親との別れ。
自分によく似た“何か”の声。
目を覚ましたカナリアの世界が静かに歪み始める。
夢を恐れるマリア。
なぜ天使たちは地表を見ることの出来る“天洞”を娯楽として笑うのか。
そして、カナリアが失っていた記憶とは――。
これは、 青き決別を余儀なくされた天使の堕天から始まる黙示録(エンジェルリセット)。