あらすじ
地方から東京へ出た人なら、
きっと一度は感じたことがある。
「ちゃんとしなきゃ」
「浮かないようにしなきゃ」
「笑われないようにしなきゃ」
そのたびに、
自分の言葉や癖や呼吸まで、
少しずつ削ってしまうことを。
広島・庄原から上京した十九歳のあかりは、
女優になるため、
標準語を覚え、
東京に馴染もうとする。
けれど、
洗練されるほど、
彼女の言葉から“命”が消えていく。
養成所。
理不尽なバイト。
孤独な東京生活。
削れていく消しゴム。
そんな日々の中で、
彼女が最後に掴んだのは、
綺麗な演技ではなく、
故郷の言葉で叫んだ剥き出しの本音だった。
これは、
「上手く生きる」ことよりも、
「自分をなくさない」ことを選ぼうとした、
ひとりの表現者の青春物語。
静かだけど熱い、
“言葉の体温”の物語です。