あらすじ
盗賊娘ディアナ・アディンセルは、盗賊団の仲間たちとともに、パーソン王国の国宝――オールトの指輪を盗み出した。
成功した。そう思った次の瞬間、迷いの森で待ち構えていたのは、銀白色の髪を持つ美貌の王子ジークムントだった。
彼はパーソン王国第一王子にして、警衛騎士団長。
そしてディアナが前世で遊んでいた乙女ゲーム『女神の微笑み』の、最推しにして最悪の隠しキャラである。
ジークムントに捕らえられたディアナは、盗んだはずの指輪を左手にはめられた瞬間、前世の記憶を思い出す。
この世界は、乙女ゲームに似ている。
そしてこのままいけば、ディアナが救いたい令嬢は“悪役令嬢”として断罪される。
盗賊団の仲間を人質に取られ、外れない偽の指輪で縛られ、ディアナはジークムントの手駒として王城の裏側へ引きずり込まれていく。
けれど、ただ利用されて終わるつもりはない。
盗賊なので、盗めるものは盗んでみせる。
国宝も、噂も、舞台も、断罪も、運命さえも。
これは、運命に選ばれなかった盗賊娘が、悪役王子に捕まりながら、それでも自分の足で大切な人たちを盗み返す物語。