あらすじ

五十路の老人が、年若い青年に頭を下げた。 「弟子にしてくれ」と。 タルヴァス・イノーには、諦めきれない夢があった。 若い頃「魔術の才能がない」と切り捨てられた、たった一つの夢。 痩せた領地を継ぎ、何十年もかけて領民が食えるだけの土地に育てた。「土食いのイノー」と嘲られ、「枯れ木のタルヴァス」と容姿まで笑われ、それでも黙々と耕した。妻を看取り、家督を譲り、重荷から解放されたとき、老人に残されていたのはあの夢だけだった。 だから旅に出た。 そして出会う。 詠唱を笑い、無詠唱で魔術を放ち、何事もなかったように去ろうとする青年に。 群衆が呼ぶ蔑称は「魔獣食いのガルド」。 黒髪、褐色の肌、首には魔獣の骨。社会から忌み嫌われ続けた、孤独な天才。 枯れ木が、獣に頭を下げた。 この出会いが千年の常識を揺るがすことを、まだ二人とも知らない。 これは、嘲られた者たちが世界の魔術を変えていく物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/05/22
  • 現在の作品枯れ木の元領主、魔獣食いの青年に弟子入りする