あらすじ
没落寸前の貧乏伯爵家をその腕一つで支えてきた、生粋の「実務家令嬢」であるリディル。彼女は政略結婚により、帝国で「歩く絶対零度」と恐れられる氷の公爵・クラウスに嫁ぐことになった。
迎えた初夜。クラウスは冷酷な声で「君を愛することはない。義務だけを果たせ」と、テンプレ通りの白い結婚を宣言する。しかし、愛より実利とリスクヘッジを重んじるリディルは一切動じず、「言った言わないの水掛け論を防ぐため」と、慰謝料や接触禁止事項を定めた『念書』を突きつけた。
すると、完璧だったはずの氷の公爵は突然ボロボロと泣き出してしまった!
実はクラウスは、リディルに一目惚れしたものの極度のコミュ障。部下に借りた三流恋愛小説のアドバイス「最初は冷酷に振る舞い、後から甘やかすギャップ萌え」を真に受けて実践しただけだったのだ。
すれ違いや非効率な駆け引きを嫌うリディルは、泣きじゃくる大型犬のような公爵を論破し、「嘘や見栄を張らないこと」を第一条とした『新・誓約書』を締結。冷酷という枷が外れた結果、「息をするように重い愛を囁く正直者」へとクラスチェンジした夫に呆れつつも、領地経営の無駄を省き、社交界の悪意(と不正帳簿)を論理と権力で鮮やかに粉砕していく!