あらすじ
【大陸を蹂躙する覇王の暴風雨。追放された令嬢と小国の王太子は、その嵐すら盤上の駒とする】
旧態依然とした身分制度が支配するナーロッパ大陸。
ある日、その狂った古い秩序を暴力で粉砕すべく、一人の天才が立ち上がった。
『簒奪王』フェリオル。
彼の率いる精鋭・黒旗軍は、実力で成り上がらんとする情熱と怨念を武器に、瞬く間に大陸全土を蹂躙し、歴史を揺るがす「暴風雨」となっていく。
これは、無敵の覇王が世界を薙ぎ払う戦乱の時代にあって、決して嵐に飲み込まれず、新たな歴史の理(ことわり)を創り上げた『最強の為政者』夫婦の物語である。
ロアーヌ帝国から「傷物の令嬢」として放逐された絶世の天才・アリシア。
莫大な経済力を持ちながらも、領土や人口に乏しい小国リューベックの王太子・アルベルト。
二人の政略結婚から、すべては始まった。
平時であれば名君となる器を持つ有能な王太子と、乱世の覇王すら見下ろす大局観を持った恐るべき十五歳の新妻。
彼らは自ら剣を取って無双などしない。
他国を買収し、大貴族の権益を合法的に奪い、覇王(フェリオル)が破壊した更地に『次代の覇権』を打ち立てるべく、水面下で冷徹な盤面構築(国家防衛と内政)を進めていく。
「一万ソリドゥスをお出しなさい。彼らには穀物と引き換えに、我が国のために血を流して頂きますわ」
やがてリューベック王国の重鎮や老王すらも戦慄させることになる、十五歳の令嬢の悪魔的知略。
圧倒的戦力を持つ覇王の嵐が迫る中、経済力と知略を武器にした小国の「下剋上」が今、静かに幕を開ける――。