あらすじ
雨上がりの深夜。
川沿いで黒いスマホを拾った主人公は、
何気なく画面を開こうとして息を止める。
――Face IDが、自分の顔を認証した。
持ち主は“すでに死亡扱い”になっている青年。
スマホの中に残されていたのは、
27枚の写真、
未送信のメッセージ、
深夜2時の検索履歴、
そして、
「俺はちゃんと生きれてましたか」
という一文だけだった。
スマホを辿るほど、
主人公は“もういない誰か”の人生に触れていく。
孤独。
好きだった人。
消えたかった夜。
誰にも言えなかった感情。
それは、
気味が悪いほど自分に似ていた。
そしてある日、
スマホの中に、
“今この瞬間”の主人公の写真が追加される。
これは、
死者を追う物語ではない。
“消えたかった人間”が、
もう一度自分を見つけるまでの物語。