あらすじ
過労の末に事故死した元社畜・佐伯冬馬は、目を覚ますと異世界で魔族の王――魔王になっていた。
しかし任された国は、難民の受け入れ、疫病の爪痕、食糧不足、財政難を抱えた破綻寸前の魔王国。
せめてチート魔法で何とかできるかと思いきや、冬馬の魔法は制御不能。
試しに唱えたファイアーボールは、ライターどころか天井を焦がす火柱になる始末だった。
そんな冬馬が最初に目をつけたのは、戦争孤児を抱える教会のぬかるみ。
汚れた水、泥だらけの石畳、水を運ぶ子供たち。
そこには、排水不良から広がる疫病の危険が潜んでいた。
玉座に座って命じるだけでは、国の足元にある問題は見えてこない。
冬馬は黒猫の姿をした“生ける歴史書”セナや、癖の強い仲間たちとともに現場へ向かう。
排水を整え、衛生を改善し、難民の職能を拾い上げ、職人たちと新しい仕組みを作っていく。
派手な魔法ではなく、現場を見る目と段取りで国を救う。
元社畜の転生魔王による、異世界インフラ再建ファンタジー。