あらすじ
田中航一郎、三十七歳。
社内SE。退職予定日まで、あと四営業日。
ようやく今の職場を辞められると思っていた矢先、彼は異世界に召喚された。
召喚した国王は、完璧すぎる笑顔で「世界を救え」と告げる。
だが航一郎の視界には、王のレビューが表示されていた。
国王バルドス。
★1.2。
『召喚者を道具みたいに扱う。二度と関わりたくない』
『帰還方法を聞くと笑って話を逸らされる』
『用済みになった者は地下へ送られるらしい』
『毛量の隠蔽疑惑あり』
これは駄目だ。
まず逃げよう。
ハズレ扱いされた能力は、視界に地図を表示し、人や場所や物のレビューを見せ、目的地までの経路を検索する「ナビ」。
戦えない。
魔法も撃てない。
だが、安全な宿、信用できる人間、危険な契約、食える飯、そして帰還方法を探すには、妙に向いていた。
ヘルプのイルカは言う。
「生存ルートを検索しますか?」
俺は世界を救いたいわけじゃない。
ただ、自分の部屋に帰りたいだけだ。
召喚された三十七歳社内SEが、ハズレ扱いのナビで王国から逃げ出す、異世界逃亡ライフハックコメディ。