あらすじ
伯爵令嬢マリアンヌは、婚約者である侯爵令息ジェラルドから夜会の場で婚約破棄を告げられる。
理由は、彼女の料理が「庶民臭い」から。
マリアンヌは前世で小さな定食屋を営んでいた記憶を持ち、安くても体に優しく、美味しい料理を作ることを大切にしていた。けれどジェラルドは、厨房に立つ令嬢など侯爵家にふさわしくないと笑い、別の令嬢リリアナを隣に立たせる。
失意のまま実家へ戻ったマリアンヌ。そんな彼女のもとに、王宮から急使が訪れた。
王太子アレクシスが三日も眠れず、医師も魔術師も手を尽くせない状態だという。
マリアンヌは王宮厨房で薬草と鶏の出汁を使った薬膳スープを作り、アレクシスを眠りへ導く。
その料理をきっかけに、彼女の力は王宮で認められていく。
一方、ジェラルドは過去にマリアンヌが考えた薬膳レシピを、自分の手柄として王宮へ提出していた。しかも分量を勝手に変えたレシピは、もし王太子が口にしていれば症状を悪化させかねない危険なものだった。
王宮主催の昼餐会で、マリアンヌの料理が次々と称賛される中、アレクシスはジェラルドを追及する。
「王太子の口に入るものを、理解もせずに差し出したのか」
アレクシスの追及に、ジェラルドは言葉を失う。
そして、マリアンヌを踏み台にして王宮へ近づこうとしたリリアナもまた、社交界で居場所を失っていく。
一方、マリアンヌは、王太子に溺愛されていくのだった。