あらすじ
ある夏、東京に雪が降った。主人公の波治和風はフシギに思う。雪が降ったことにではない。雪が降っていることに自分と妹以外だれも気が付いていないからだ。
学校をサボる日々が続いていたある日、和風は一人の男の子、一番書記こと赤松慎司に出会う。喋るトラ李徴の背に乗り、和風が慎司に連れられてこられた場所は、架間音子が待つ「猫の事務所」だった。猫の事務所とは物語のつくもがみが起こす怪異トラブルを解決する専門相談所。その所長である音子さんは和風の目の異変に気づく。和風の左目にはいつの間にか雪の結晶が宿り、トラブルを起こす物語の怪異が見られるようになっていた。
慎司に反対されながらも、猫の事務所に仮入所扱いになった和風。二人は音子の命令により物語の怪異が起こすトラブルを解決するべく、ある公園を調査する。初めての調査対象は音子いわく和風にぴったりの物語、宮沢賢治作『よだかの星』だ。よだかのあまりの速さに苦戦する和風たち。諦めかけていたとき、和風はかつて物語の怪異であった李徴のアドバイスでよだかを捕獲することに成功する。
よだかは市蔵と名付けられ、和風と一緒に過ごすことになる。そんな日々の中、突然和風の家に見たことのない女の子が訪問する。その子は猫の事務所の二番書記、新木知波だった。知波の訪問が刺激となり、和風は学校に行くことを決意する。
和風は学校に行けなかった。なぜ行けなかったのか、音子はその答えを和風に問い、和風はついに思い出した。自分の妹は既に亡くなっていて、妹とだと思っていた存在は物語の怪異『永訣の朝』だったと。和風は自らの手で妹を名乗る怪異と決別し、東京に雪が降らなくなった。怪異に囚われることのなくなった和風は登校を再開し、無事猫の事務所の正式なメンバーになった。