あらすじ
王立学院の卒業式。卒業生代表のクラリス・ヴァイスは、壇上で王太子ジュリアンから婚約破棄を告げられる。
理由は、聖女候補ミリアへの嫌がらせ。階段から突き落とした。式典衣装を切り裂いた。推薦状を盗んだ。王太子はそう告発し、クラリスを「可愛げがない、記録しか見ない女」と断罪する。
だが、その卒業式は王国初の大規模式典中継だった。
王都中央広場、各伯領の公会堂、太陽教会の大聖堂、そして王宮主晶室。王太子の婚約破棄も、冤罪告発も、すべて魔映水晶で王国中に流れている。
「今のご発言は、王太子としての公式発言でしょうか」
そう確認したクラリスは、王国法に従って告発内容を整理し、三つの記録水晶を投影する。
階段の保安記録。裁縫室の管理記録。太陽教会の封印文書記録。
嘘は、一つずつ剥がれていく。
これは、待つことも、許すことも、尽くすこともやめたシゴデキ令嬢が、正式手続きで冤罪を晴らし、自分の未来を取り戻す話。