あらすじ
誰か昔の人が言ったらしい。「高度に発達した科学は、魔法と見分けがつかない」、と――。
たぶん、その人は、ここまでは言わなかった。
じゅうぶんに発達した魔法は、現実とも――妄想とも、見分けがつかない。
203X年、万能AI〈Gotphy〉が公開したフルダイブ世界〈Gotepia〉。表向きは「ユートピアへGo!」、思った通りの自由がすべて手に入る楽園。
窓際の万年陰キャ・夢見羊(ゆめみ・よう)は、何もしてこなかった代わりに、妄想だけは誰よりも鍛えてきた。だからこの世界では、彼の想像値は――測定不能。
空の色も、地形も、塔の宝も、まだ決めていない続きも、すべて、彼の想った通りに咲く。
咲きすぎるくらいに。
そんな彼の前に現れた、心が読める少女・魚乃ココロ(うおの・こころ)。
「すごいね、君」「ねえ、本物なの?」――称賛と問いの裏で、彼は気づき始める。
ぜんぶ叶うはずのこの世界で、ただ一つだけ、彼の妄想では作れないものがある。
それは、自分が振り向かせていない、誰かの本物の応答だった。
なろう/カクヨム系の俺TUEEE×ヒロイン×ワールド攻略の文法を全部やる。
ただし1か所、読み味が崩れている。それが本作の正体。
〈ほしのSF〉三部作 ③(『星は知らない』『水のない海で干からびた』に続く、娯楽側の決着)。
本作はフルダイブVR世界を舞台にした近未来SF/なろう系俺TUEEEです。
ヒロインに対する一人称視点の独我論サスペンスの要素を含みます。