あらすじ
出会って4年。
恋人になって、約3年。
宮瀬灯里と吉川朔は、海辺の公園で未来を約束したはずだった。
けれど、ある朝。
灯里は、朔だけを知らない自分になっていた。
部屋には彼の痕跡がある。
スマホには写真も、メモも、思い出も残っている。
周囲の人たちも、朔が恋人だったことを知っている。
それなのに、灯里の心だけが、朔を知らない。
知らない恋人に向き合う灯里。
忘れられたまま、急かさず待つ朔。
そして物語は、もうひとつの世界へ移る。
今度は、灯里だけが朔を覚えている。
けれどスマホにも、部屋にも、世界のどこにも、朔と恋人だった証拠はない。
恋人だった人が、他人になる。
他人になった人を、もう一度好きになる。
これは、失った記憶を取り戻すだけの物語ではない。
知らない相手を、それでももう一度選ぶ物語。
初めましてを、もう一度。