あらすじ
母の死後、父の不倫相手だった継母と義妹のマゼリンに虐げられ続けてきた私。そんな中、ずっと憧れていたこの国の王太子様の婚約者に私が選ばれた。
嬉しいっ! 憧れていた人がこれから私のことを愛してくれるだなんて!
突然降って湧いてきた幸運に、私は感謝した。
人生ってつらいと思ってたけど、頑張って生きていたらいいことがあるのね……!
ところが。
「申し訳ない。マリー・カストリアーナ嬢。せっかく君が婚約者に選ばれたというのに……。実は僕にはどうしようもなく心惹かれる女性がいる。君の、義妹のマゼリン嬢だ」
「そんな……」
なんと、王太子様は義妹のことが好きらしい。
この前私との顔合わせの時に、義妹とも初めて会ったばかりだというのに一体何故……?
悲しみに顔を歪ませる私を、義妹は「あんたなんか、誰も愛するわけないでしょ!」と馬鹿にする。
……だが、私は絶望することにはならなかった。
何故なら、王太子様の理性がとても強かったからだ。
義妹に恋をした彼は「とんでもないこと」を言い出した。
「……申し訳ない、マゼリン嬢。君が目に入ってしまうと、どうしても気になってしまう。だが、それでは婚約者として尽くしてくれているマリー嬢に申し訳が立たない。僕としても、苦渋の判断なんだが、──してもらえないだろうか?」
え?! 王太子様っ! それ、本気で言ってます?
これは、理性が強すぎる王太子が魅了魔法にかかったことで、いつの間にか国に平和が訪れた話。