あらすじ
【5月中に最終話まで投稿】地上が海に沈んで三千年。太平洋に浮かぶ五つの海上都市と、深海に潜るステーション群──それが人類最後の居場所だ。
漂泊団の観測員ミヤは、海面の異常を黙々と記録してきた。沈黙海域の境界が、加速度的に広がっている。誰もそれを信じない。
深海ステーションの廃区画に隠れ住む青年レイは、子供の頃から誰にも聞こえない「声」を聴いてきた。三方向の組織に追われながら、彼は遠くに一人の女の気配を感じはじめる。
二人は廃観測室で出会う。古い機器に触れたミヤの視界の端に、見たことのない女性の手が浮かぶ。
「お前は、もう一人だ」
過去に四度、別の二人が同じ場所に立った。そして、消えた。
太平洋最深部に眠る装置〈深淵核〉が、目覚めはじめている。
【観測する女】と【聴く男】、五人目の対の物語。