あらすじ
戦闘能力なし。
剣も魔法も使えない。
勇者パーティで与えられた役割は、荷物持ちと雑務だけ――。
「もうお前はいらない」
魔王討伐へ向かう旅の途中、雑用係のユウトは勇者から一方的に追放される。
長年支えてきた仲間たちは誰ひとり庇うことなく、彼は金も装備もほとんど持たされないまま辺境へ捨てられた。
だが、勇者たちは知らなかった。
これまで安全な野営ができていた理由も、尽きることのない回復薬も、魔物の接近を防ぐ結界も――すべてユウトが無意識に使っていた力によるものだったことを。
死にかけながら彷徨った森の奥。
そこでユウトは、朽ち果てた巨大な樹と出会う。
その瞬間、彼の血に反応するように世界が震えた。
《条件を確認》 《固有スキル《世界樹管理》を継承しました》
それは、世界の魔力そのものを操る力。
枯れた大地を蘇らせ、魔物を進化させ、精霊と契約し、失われた文明すら再生できる――伝説級の能力だった。
追放された辺境で、ユウトは一人、小さな村を作り始める。
傷ついた獣人を助け、居場所を失ったエルフを迎え入れ、やがて人ならざる者たちが彼のもとへ集い始める。
世界樹は成長し、それに呼応するように村も発展していく。
一方その頃、ユウトを追放した勇者パーティは崩壊の一途を辿っていた。
回復薬は尽き、結界は張れず、遠征は失敗続き。
今さら彼の重要性に気づいても、もう遅い。
これは、“役立たず”と蔑まれた青年が、世界樹と共に新たな国を築き上げていく物語。
そして――
滅びに向かう世界を救う、たった一人の管理者となる英雄譚である。