あらすじ

景司は偶然立ち寄った古書店で、使いかけの日記帳を手に入れる。そこには昭和の終わりから平成初期にかけて、無名の「私」の静かな日常が記されていた。天気や食事といった何気ない記録の中に、書かれない感情や誰かを待つ気配が滲む。やがて「会えた」という短い一行と、「これで、いいと思う」という結びに触れ、景司はその人生の断片に強く惹かれていく。会う術のない書き手に思いを馳せながら、彼は自らも日記を書き始める。しかしすべてを書かず、書かないこともまた選択であると気づく。誰かの残した余白は、やがて景司自身の生き方へと静かに受け継がれていく。記録とは何か、残すとは何かを問いかける、静謐な時間の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2026/05/06
  • 現在の作品書かれなかった日々 余白に触れた景司の記録