あらすじ
人類を二分する大戦の果てに、戦勝国ですら滅びの運命を避けられなくなった人類の末路。
木星宙域に突如として現れた謎の次元断層に希望の光を見出してしまう。
大戦の中で生み出され、戦場に恐怖を撒き散らした人型戦闘兵器。
殺戮の限りを尽くした戦闘兵器の末路は、次元断層に突入するという次元航行実験の部品として消費される緩やかな極刑だった。
国家の存亡を賭けて、人権消費の末に生み出された人造強化戦闘兵クロム・クエルクス。
敗戦の後に戦利品として鹵獲された彼が、実験機として次元断層へと送り込まれ、その果てに辿り着いた異世界。
剣と魔法、人類種、亜人種、そして怪物たち。
謎に満ちた異世界の中で、そのどの種にも属さない異形の戦闘兵器は、圧倒的な力でその名を知られていく。
上位の命令なき今、行き先を見失った彼の中に宿るは剥き出しの生存本能と闘争本能。
人と機械の境界線を彷徨いながら、クロムは自らの意思で異世界へ最後の“侵攻”を行う。
出会い、別れ、戦い、殺戮を経て、やがて芽生える感情という不確定要素に戸惑いながら
やがて彼は小さな光を背負う。
これは1機の黒騎士と呼ばれた戦闘兵器と、その背に宿った灰桜の残り火の物語。