あらすじ
「君は、何もしていない聖女だ」
聖女と呼ばれながらも、目立った奇跡を見せたことのない公爵令嬢ホーリィー・メイデン。
ある日、彼女は王太子から突然そう断じられ、さらに身に覚えのない嫌がらせを理由に婚約破棄される。
新たな聖女候補を守るため、王都から去れ――そう命じられたホーリィーは、婚約に未練もなく、静かに追放を受け入れた。
けれど、ひとつだけ胸に残った疑問がある。
自分は本当に、面識すらない相手を傷つけたのか。
そしてホーリィーが王都を離れたあと、王城では少しずつ不穏な出来事が起こり始める。
夜ごと増える異変。
原因不明の体調不良。
崩れはじめる王城の結界。
誰も知らなかった。
「何もしていない」と笑われた聖女こそが、誰にも見えない場所で王都を守り続けていたことを。
これは、追放された聖女が、再び“夜の王城”へ戻るまでの物語。